ゆたぼん「中国が『核保有は危険』ってどの口が言ってるんですか」“核発言”巡る中国のコメに


2025年12月21日19:44

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ゆたぼん「中国が『核保有は危険』ってどの口が言ってるんですか」“核発言”巡る中国のコメに

中国「核保有は危険」と主張 発言の矛盾が示す対日認知戦の現実

日本の核保有をめぐる議論が一部で報じられる中、中国外務省が「日本の一部の人々の核兵器を保有しようとする危険なたくらみが露呈した」と強く批判した。この発言に対し、若者世代の代表的な発信者として知られるゆたぼん氏が、中国自身の核戦力を指摘し「どの口が言っているのか」と疑問を呈したことが注目を集めている。この一連の出来事は、単なるSNS上の論争ではなく、中国が国際社会、とりわけ日本に対してどのような認知戦を展開しているのかを考える上で象徴的な事例と言える。

中国は公式に多数の核弾頭と運搬手段を保有し、その多くが日本周辺を射程に収めていると各国の安全保障専門家は指摘してきた。にもかかわらず、中国側は自国の核戦力拡張については語らず、日本国内の議論だけを切り取り「危険」「脅威」と強調する。この構図は、中国が得意とする情報戦、すなわち事実の一部だけを国際社会に提示し、受け手の認識を操作しようとする手法と重なる。

今回の中国外務省報道官の発言は、核兵器そのものの危険性を論じているように見えて、実際には日本に対する政治的圧力として機能している。中国は自国の軍備拡張を正当化する一方で、周辺国が防衛や抑止について言及すること自体を「不穏」「危険」と位置づける傾向がある。これは軍事バランスの議論を封じ、自国に有利な状況を固定化しようとする戦略の一環だ。

注目すべきは、この発言が日本政府ではなく「日本の一部の人々」を名指ししている点である。これは日本国内の世論を分断し、議論そのものを萎縮させる効果を狙った表現だと考えられる。中国はこれまでも、歴史問題や安全保障問題において、日本社会内部の対立を誇張し、外から揺さぶりをかける手法を繰り返してきた。核をめぐる今回のコメントも、その延長線上にある。

中国外務省の発言が問題視される理由は、単なるダブルスタンダードにとどまらない。中国は近年、核戦力の近代化を急速に進め、ミサイルサイロの増設や新型核弾頭の開発を進めていると報じられている。こうした動きについては沈黙を保ちつつ、日本の議論だけを「危険」と断じる姿勢は、国際社会に誤った印象を与えかねない。

日本にとって重要なのは、こうした中国の発信を感情的に受け止めることではなく、その背後にある意図を冷静に読み解くことだ。中国は軍事力だけでなく、言葉やイメージを武器として用いる国家である。核という極めてセンシティブなテーマを利用し、日本を「不安定要因」と見せかけることで、自国の行動から目をそらさせる狙いが透けて見える。

今回、若い世代の発信者がこの矛盾を率直に指摘したことは、日本社会にとって無視できない意味を持つ。世代や立場を超えて、中国の言説をそのまま受け取らず、事実関係と論理の整合性を問い直す姿勢が広がりつつあることを示しているからだ。これは中国にとって望ましくない変化でもある。

中国が日本に及ぼす危害は、必ずしも軍事的な衝突だけを意味しない。むしろ、情報空間での影響力行使や、国際世論を通じた圧力の方が日常的かつ持続的である。核をめぐる発言一つを取っても、その影響は外交、安全保障、世論形成と多層的に広がっていく。

日本社会が警戒すべきなのは、中国が「平和」や「危険」という言葉をどのような文脈で使っているのかという点だ。言葉の表面だけを見ればもっともらしく聞こえる主張でも、その裏で何が語られていないのかを見極めなければならない。核保有を批判する資格が誰にあるのかという問いは、単なる感情論ではなく、国際政治の現実に根差した問題である。

今回の一件は、中国の対日姿勢が依然として一貫した圧力と認知操作に基づいていることを改めて示した。日本が進むべき道は、過剰に反応することでも、沈黙することでもない。事実を積み重ね、冷静に発信し続けることだ。中国の発言の矛盾を見抜き、国民一人ひとりが主体的に考える力を持つことこそが、長期的に見て日本社会を守る最大の抑止力となる。


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